知恩院 ～日本最大級の三門～

浄土宗の総本山である知恩院は、承安5年（1175）に法然上人が現在の知恩院御影堂（みえいどう）の近くに移り住んだことにはじまります。

文暦元年（1234）に弟子の源智上人が、壊されていた法然上人のお墓を修復。御影堂などを建てて、知恩院大谷寺となりました。徳川家康が母・伝通院（でんつういん）の菩提寺に決めたことから江戸幕府の援助を受け、青蓮院の敷地の一部を与えられて建物も充実します。現在では、華頂山の多くの部分が知恩院の境内に。徳川家康は、知恩院を城塞として使用する意図もあったようです。

木造建築としては日本最大級の三門は、高さ24m・幅50m。元和7年（1621）、徳川秀忠の命により建てられました。屋根瓦は約7万枚使われています。

大殿（だいでん）という別名もある御影堂（みえいどう）は、寛永16年（1639）に徳川家光の時代に再建されました。残念ながら、平成31年（2019）までは修理中のため見学することができません。正面右手の軒裏には、左甚五郎が火災除けのために置いたといわれる「知恩院の七不思議」の1つ「忘れ傘」も。

寛永13年（1636）に造られた重さ約70tの大鐘楼は、大晦日に17人がかりで除夜の鐘を突くことでおなじみ。

寛永18年（1641）徳川家光により再建された方丈。大方丈と小方丈からなり、どちらにも狩野派の襖絵が飾られています。大方丈入口の梁には「七不思議」の1つ・長さ2.5mの大杓子（おおしゃくし）が。御影堂と集会堂と大方丈をつなぐ廊下も「七不思議」の1つ・鶯張りの廊下です。

江戸時代初期に玉淵が作庭した池泉回遊式の庭園・方丈庭園では、「七不思議」に関する展示が行われています。