石清水八幡宮の勅祭石清水祭～生き物を川に放つ放生会～ 　

男山（高さ142メートル）の頂上に建つ石清水八幡宮。貞観元年（859）、平安京を裏鬼門から護るため、大分県の宇佐八幡宮の神を分霊したことに始まります。

石清水祭は葵祭（賀茂祭）、奈良・春日大社の春日祭と共に日本3勅祭の1つに選ばれています。勅祭とは、天皇の命令で開催される祭のこと。石清水祭は、貞観5年（863）の旧暦8月15日に「石清水放生会」として始まりました。明治時代には中秋祭や男山祭と呼ばれていた時期もありますが、大正7年（1918）に、男山八幡宮から石清水八幡宮に名前が戻ったのをきっかけとして「石清水祭」という名称になりました。

石清水祭は、2:00ころ本殿から八幡三神の神霊を鳳輦（ほうれん）に遷すことから始まります。3:00に神職、雅楽の演奏者、お供の神人（じにん）など約500名が松明と提灯の光を頼りに、3基の鳳輦と共に山頂の本殿からふもとの頓宮へと向かいます。

途中、このお祭りのために仮設された絹で四方を囲んだ絹屋敷に立ち寄り、里神楽奉納、雅楽「太平楽」の演奏、儀式などを行ないます。

頓宮では、12ヶ月の草花を和紙で折って表現した供花神饌（くげしんせん）などをお供え。神馬が神前を廻る御馬牽廻（おんうまけんかい）、奉幣の儀などが行われます。

捕えられた魚と鳥を放生川に放った後、山吹の花枝を手に持った4人の子どもにより「胡蝶の舞」を奉納。放生会は、生き物を放つことによって、国家安泰や国民の幸せを祈願する行事として始められました。

舞楽や演武の奉納などが行われた後、夕方に再び鳳輦は本殿へと戻られます。

石清水祭は夜中に開催されるお祭りですが、多くの方が訪れます。境内にある石清水八幡宮 清峯殿（研修センター）では、予約制で仮眠室も用意。ご希望の方は早めにチェックしてみてください。

石清水八幡宮Webサイト　http://www.iwashimizu.or.jp/

石清水八幡宮 清峯殿（研修センター）Webサイト　http://www.80003.com/