詩仙堂 ～詩人・石川丈山の山荘跡～

詩仙堂は、徳川家康の元家臣であった江戸初期の詩人・書家の石川丈山が、寛永18年（1641）、59歳の時に造営し、90歳で亡くなるまで暮らした元山荘です。当時は「凹凸窠」（おうとつか）という名前がついていました。この名前をつけたのは、一乗寺の土地が入り組んでいて凹凸寺と呼ばれていたため、それにちなんでだそうです。石川丈山は、東本願寺・渉成園の修復を手掛けたことでも知られています。

詩仙堂は、江戸中期に改築され、昭和42年（1967）に大改修が行われました。昭和41年（1966）、曹洞宗の寺院になります。

詩仙堂という名前は、狩野探幽が描いた中国36詩仙の肖像を壁に飾った、四畳半の部屋「詩仙の間」から名づけられました。この部屋には、石川丈山が隷書体で書いた漢詩も飾られています。

詩仙の間の隣には2方が開けた書院・猟芸巣（りょうげいそう）があり、その前には、白砂を海、サツキの刈り込みを松に例えた唐様庭園が広がります。2階には、石川丈山が朗吟した嘯月楼（しょうげつろう）という小さな楼も。庭では、石川丈山が発明した僧都（添水）という名の鹿（しし）おどしがコンッと響く音も聞くことができます。唐様庭園では100種ほどの花が咲くため、四季折々に景色を楽しむことが可能です。

詩仙堂の入口は、一見普通の家のような表門・小有洞（しょうゆうどう）です。入口前の看板をチェックして、通り過ぎないように気をつけてください。

詩仙堂の本尊・馬郎婦観音　（めろうふかんのん）は、所願成就・学業成就にご利益があるそうです。

詩仙堂では、平成30年（2018）3月31日（土）までの予定で「本堂茅葺屋根葺替え」と「防火設備・貯水槽改修」工事を実施中です。期間中は、境内の一部が拝観できないケースも。工事期間は、入場料金が100円引きになります。