貴船神社 ～四季折々の表現を見せる～

創建年代は不明ですが、約1300年前にはすでに社殿が建て替えられたという記録が残されている貴船神社。木船、貴布祢とも書かれていましたが、明治４年（1871）に「貴船」と書かれるようになりました。

鴨川の水源地にあり、水の神である高龗神（たかおかみのかみ）を祀っています。そのため、平安京に遷都されてからは、日照りの際や長雨の際には祈願のため、貴船神社に馬が奉納されていました。馬の代わりに馬型の木が奉納されることがあり、それを簡略化して馬に絵をかいて奉納。それが絵馬のもとになったと言われています。

「氣生根（きふね）」と書かれることもあり、氣力の生ずる場所とされ、心願成就や運気がアップする神としても信仰されてきました。

本宮はもともと、現在奥宮のある場所にありましたが、天喜3年（1055）、貴船川が氾濫したため現在の場所に移されました。現在の建物は、奥宮からの移転950年を記念し、平成17年（2005）に建て替えられたものです。本宮では、ご神水につけると文字が浮かび上がる水占みくじが販売されています。

木花開耶姫命（このはなさくやひめのみこと）の姉である磐長姫命（いわながひめのみこと）を祀る結社（ゆいのやしろ）は縁結びの神として知られ、和泉式部も参詣して、夫の愛を取り戻したと言われています。平成24年（2012）に改修が完了しました。

神武天皇の母である玉依姫（たまよりひめ）は、大阪から「黄船」に乗ってこの地に到着したと言われています。「黄船」が「貴船」に転じたという説も。「黄船」を人目につかぬよう隠したと言われている、奥宮本殿西側にある船形石（ふながたいわ）。そこにある小石を持参すると、旅や航海を安全に送れると言われています。奥宮には、本宮と同じく高龗神（たかおかみのかみ）が祀られています。奥宮も結社と同時期の平成24年（2012）に改修が完了しました。奥宮の真下には竜穴があると言われていますが、非公開になっています。

鞍馬寺から貴船神社までは、木の根道（きのねみち）経由のハイキングルートがあります。鞍馬寺から向かうほうが下りなので、楽かもしれません。スニーカーなど歩きやすい靴で出かけてみてください。

貴船神社の参道沿いにあるお店では、夏は川床（かわどこ）が設けられ、涼むことができます。特に、ひろ文は流しそうめんが食べられるため人気です。紅葉の名所であるため、秋もおすすめ。シーズン中は、「貴船もみじ灯篭」というイベントも開催されます。