北野天満宮の梅花祭 ～菅原道真公を偲ぶ～

梅花祭は、北野天満宮のご祭神・菅原道真公が延喜3年（903）、太宰府で亡くなった命日に開催されています。900年を超える歴史のあるお祭りです。

梅花祭の前日、祭の係は通常とは異なる火で調理し、けがれを払います。
当日は、祭の係によって炊かれた4斗（1斗＝10升）の米が、大小２つの台に「大飯」（おおばん）・「小飯」（こばん）として山のように盛られます。
また、菅原道真公が梅の花が好きだったこともあり、男女の厄年にちなんで白梅が42本、紅梅が33本、香立（こうだて）として用意されます。「香立」（紙立・こうだて）とは、仙花紙（せんかし）を筒状に丸め、その先端にかわらけ（素焼きの皿）を置いて玄米を入れ、そこに梅の枝を挿したものです。
梅花祭では、神前に「大飯」・「小飯」・「香立」を奉納し、菅原道真公を偲びます。

梅花祭の後、「大飯」・「小飯」は、参拝者に小さく分けて与えられます。「香立」に使った玄米も、授与所で「厄除玄米」として100円で授かることができます。

現在は梅花祭となっていますが、もともとは旧暦2月に行われていたため菜の花を供えていました。その名残で、今でも梅花祭を行う神官は冠に菜の花をつけています。

梅花祭と時を同じくして、三光門前広場では上七軒の芸妓さん・舞妓さんによる「梅花祭野点大茶湯」が開かれます。豊臣秀吉公が北野天満宮で北野大茶湯を開催したことにちなみ、道真公没後1050年にあたる昭和27年（1952）から始まった行事です。上七軒は、文安元年（1444）に北野天満宮の一部を焼失し再建した際に、余った材料でお茶屋を建てた京都最古の花街です。

3月26日まで公開されている梅苑では、豊臣秀吉公が築いた御土居（おどい）も特別公開されています。

毎月25日は天神さんの市の日でもあるので、参道には6:00ころ～21:00ころまで露天が立ち並びます。天候や人手によっては早く店じまいする可能性もあるので、早い時間がおすすめです。