顔見世～東西の人気役者が集う歌舞伎公演～　

11月24日の夜中から25日の早朝にかけて、顔見世に出演する歌舞伎役者の名が勘亭流で書かれた看板「まねき」が南座の正面に上がります。まねき看板は右側に関西のメンバー、左側に東京のメンバーが掲げられます。

江戸時代の歌舞伎役者は1年契約で、旧暦の11月から切り替わりました。そのため、まねきで新たなメンバーを発表したそうです。また、舞台で役者が口上を述べました。これを顔見世と言います。寛保年間（1741～1744）ころから1年契約ではなくなったのですが、顔見世という言葉は残されて、新暦になってからは12月に開催されるようになりました。

南座の西側には、昭和28年（1953）11月に建てられた阿国歌舞伎発祥地の石碑があります。四条河原は、慶長8年（1603）出雲阿国（いずものおくに）が歌舞伎を行った場所です。もともと女性が始めた歌舞伎ですが、遊女歌舞伎などが登場し風紀が乱れたということで、寛永6年（1629）に女歌舞伎禁止令が出され、その後、歌舞伎は男性のみが演じることになりました。

南座は、元和年間（1615～24）に四条河原で公認された芝居小屋の1つとしてオープン。現在は、その中で南座のみが残されています。日本最古の劇場です。

南座は耐震補強工事などが行われているため、昨年の顔見世はロームシアター京都で開催されました。しかし、平成30年（2018）の11月から再オープンの予定です。

顔見世には、東西の花形役者が出演する他、演奏も長唄・常磐津・清元の家元が出演します。昼夜2部公演で、襲名披露も行われる予定になっています。

顔見世の期間中、京都五花街の芸妓・舞妓さんが交替で桟敷席で観劇する「顔見世総見」があります。江戸時代から続く行事で、一流の役者の芸を学ぶために行われています。舞妓さんのかんざしには「まねき」という小さな白紙がついていて、舞妓さんはお気に入りの役者にサインをしてもらうそうです。

松竹　南座Webページ　https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/