時代祭～明治維新から平安時代までの時代絵巻～

明治28年（1895）、平安遷都1100年祭の年にパレードとして始まった時代祭。翌年から平安神宮の正式なお祭りとなりました。延暦13年（794）桓武天皇が長岡京から平安京に都を遷した10月22日に毎年開催されています。葵祭・祇園祭と共に京都3大祭に選ばれています。

桓武天皇と京都最後の天皇・孝明天皇を祀る平安神宮は、明治28年（1895）3月に完成。その年には東京遷都以降、低迷していた京都を会場に、第4回内国勧業博覧会も開かれました。

通常の祭りは氏子地域で開催されることが多いですが、時代祭は京都市全域が参加する初めての祭りとなります。

明治維新からさかのぼって、平安時代までの京都で活躍した人物が勢ぞろいする、約2000人・約2キロの時代行列が時代祭の中心行事です。大正時代までは、時代順に行列が行われていたそう。時代行列は京都御所の建礼門前を出発後、丸太町から烏丸通、御池通、三条通、神宮道を通り平安神宮に向かいます。

先頭をつとめるのは維新勤王隊。大正8年（1919）までは、戊辰戦争の際に活躍した山国隊のメンバーが担当していました。

最後尾は、行列開始当時から現在まで弓箭（きゅうぜん）組がつとめています。維新の際に山国隊とともに活躍した隊で、平安遷都の際に警護にあたったともいわれています。

婦人列は昭和25年（1950）に祭りが再興されてから加わるように。和宮などの江戸時代婦人列は、祇園東と宮川町のお茶屋組合が交替で担当。中世婦人列の淀君・静御前は上七軒歌舞会が、小野小町・清少納言・巴御前など平安時代婦人列は、祇園甲部歌舞会と先斗町（ぽんとちょう）お茶屋組合が交替で担当しています。

維新勤王隊に続く維新志士列は昭和41年（1966）に登場。明治維新の際に活躍した坂本龍馬や桂小五郎、西郷吉之助などの列です。平成19年（2007）から登場した室町洛中風俗列（ふうぞくれつ）と室町幕府執政列（しっせいれつ）が一番新しく、合計20の列（京都市長や京都府知事などの名誉奉行を除く）からなります。

孝明天皇と桓武天皇の鳳輦（ほうれん）（天皇の乗り物）は時代行列を見守るように後列に位置します。平安神宮で行なわれた神幸祭で孝明天皇と桓武天皇の神霊を遷した鳳輦2基は、京都御所の建礼門前に移動して行在所（あんざいしょ）祭を行った後、行列と共に再び平宮神宮に戻ります。

時代考証がオリジナルに忠実に行われているので、各行列の衣装や調度品にも要注目です。

チケット情報などの詳細な情報は、下記のWebサイトをご確認ください。

時代祭Webサイト　https://www.kyokanko.or.jp/jidai/index.html