【2024年桜特集】平安神宮 ～しだれ桜と桜みくじ～

京都の桜は桜だけでなく、社寺と共に愛でられるものも多くあります。
長い年月その地に佇んできた桜と社寺が生み出す美しさはまた格別ですね。
お花見だけでなく、一緒に社寺の参拝も楽しんでみませんか。

名作文学にも登場したしだれ桜

京都でも有名な神社の一つ、平安神宮は平安遷都1100年を記念し第50代桓武天皇を祭神として1895年に創建されました。
広々とした境内も見ものですが、なんといってもこちらの桜観賞で外せないのは国の名勝に指定された神苑です。
約1万坪の広大な敷地にはソメイヨシノやヒガンザクラなど約20品種、約300本の桜が咲き乱れ、とりわけ約150本ものヤエベニシダレザクラが魅せる優美な姿は圧巻の一言に尽きます。
このしだれ桜は谷崎潤一郎の「細雪」や川端康成の「古都」にも登場しており、当時の文豪も見たであろうその風景を楽しめるのは京都ならではと言えるでしょう。

開花具合で占う桜のおみくじ

また、平安神宮でもう一つおすすめしたいのが「桜（はな）みくじ」という桜のおみくじです。
桜の時期のみ引ける期間限定の少し変わったおみくじで、吉凶も大吉や凶などではなく「つぼみ」「つぼみふくらむ」「咲初む」「三分咲き」「五分咲き」「八分咲き」「満開」という桜にちなんだもの。
このおみくじを神楽殿の前に用意された結び木に結ぶと、おみくじの桜色も相まってまるで桜の花のように見えるのです。
神苑でお花見をしたあとは、ご自身という桜の開花具合を占うのも面白そうですね。

明治時代から今日に至るまで100年以上毎年咲いてきたしだれ桜と、おみくじによる枯れない桜……全く違う二つの桜を楽しめる平安神宮は、桜の名所として京都で咲き誇っています。